スペース:間が大事


英語を文字で書きあらわす時は、スペース(または空白)もアルファベットや数字などと同じように大切にあつかわれます。英文では、文章のどこにスペースを入れるかについて、一般の人からプロフェッショナルまで、共通して守っているルールがあります。スペックもこのルールに基づいて表記します。


目次

  1. 単語と単語の間にスペースが必要
  2. 数字と単位記号の間もスペースを入れる
  3. スペースは必ず半角で入力する

日本語の文章では、段落の頭を1文字分空けたり、空けなかったり、といったことがありますが、この「空き」と英語の「スペース」とでは機能が異なります。英語の文章やスペックの中で、テキトーに入れたり入れなかったりすると、思わぬ誤解を生むかもしれません。仕様のいい加減な表記が、製品やサービスのクオリティへの疑いをまねくかもしれません。

1. 単語と単語の間にスペースが必要

英語では、アルファベットが何個かまとまってひとつの単語となって意味を持ちます。そして、いくつかの単語が集まって、ひとつの文ができあがります。この時、単語を全部つないでしまうと、どこからどこまでがひとつの単語なのかが、わかりにくくなるので、単語と単語の間にスペースを置きます。

例えば、「c」「a」「t」の3文字が集まって「cat」という単語になり、「猫」という意味を持ちます。同じように「m」と「y」で、「my」(わたしの)となります。「わたしの猫を見た」という英文は、「I」「saw」「my」「cat」の4つの単語で表現できますが、単語の間にスペースがなければ、こんな感じです。

Isawmycat.

読みにくいです。
そこで..

I saw my cat.

と、単語の間にスペースを入れると、単語が把握しやすく、文がわかりやすくなりました。


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スペースの有無で意味が変わる

読みやすさだけではありません。同じアルファベットの組み合わせであっても、ひとつの単語なのか、スペースで区切られたふたつの単語なのか、によって意味が変わる場合もあります。読みやすさだけではありません。同じアルファベットの組み合わせであっても、ひとつの単語なのか、スペースで区切られたふたつの単語なのか、によって意味が変わる場合もあります。Lukeさんのサイト英語 with Lukeでその例をご覧ください。

スペースを空けると意味が変わる単語 ー everydayとevery dayの違いは何でしょうか | 英語 with Luke
(リンク先を新しいウィンドウ/タブで開きます)


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日本語は「分かち書き」しない少数派

単語間のスペースのように、意味のかたまりごとに空白を入れる書き方を日本語では「分かち書き(わかちがき)」と言います。小学校の低学年向けの教科書や絵本で見られるあれですね。使える漢字が限られているため、ひらがなばかりになってしまいます。その読みにくさを解消したり、曖昧さを回避する目的で分かち書きが使われます。

あしたはいしゃにいく
あした は いしゃ に いく(明日、歯医者に行く)
あした はいしゃ に いく(明日は、医者に行く)

ひらがなだけだと、空白または読点など、なんらかの工夫をしなければ、意味を取り違えかねません。言い換えると日本語は、漢字・ひらがな・カタカナ・数字・アルファベットを程よく混ぜ合わせることで、読みやすく、わかりやすい文章を可能にしているわけです。この例はどちらかといえば、分かち書きではなく、読点「、」の役割についての説明で使われることが多いですが、空白の役割の説明としてもわかりやすいと思います。

実は、分かち書きをしない言語は、世界的に見るとごく少数派で、日本語・中国語・タイ語などいくつかの言語に限られているということです。つまり、英語のネイティブに限らず、英語ドキュメントのスペースを入れるべき箇所にスペースが無いと、読者が違和感を持つ可能性が高いということです。逆に日本語の文章では、特別な目的を持たない空白の方が奇異に感じますね。このことを踏まえて、スペックを英語化する際の文字処理についても、つい日本語的発想で判断していないか、注意が必要です。

「分かち書き」って何?


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2. 数字と単位記号の間もスペースを入れる

さて、本サイトのメインテーマであるスペックの英語化に際しても、単語と単語の間にスペースを入れるというルールに従います。スペックは、数値・項目・機能名が表になっていて、完全な文になっているほうが少ないですが、それでも単語が組み合わさった項目名や機能名があります。そして、数値と単位記号も、単語と単語の組み合わせと同じ扱いになります。

日本語の文では、段落の頭などを除いて、スペースを空けることはごくまれですので、一般的に数字と単位記号との間にもスペースは入れません。下の例は、距離の単位「キロメートル」の単位記号「km」の場合です。日本語表記では数字との間はツメて、英語表記では空けます。

日本語: 42.195km
英 語: 42.195 km

数字と単位記号の間のスペース

『シカゴマニュアル第16版』の索引には、スペースを空けるべき箇所に関して、30項目近くリストアップされています。そのうちの2項目(下の引用の色文字部分)で、数値と単位記号・略語との間には、基本的にスペースを入れると記述されています。

まあ、何事も例外があり、この例外こそが物事をややこしくしているのが世の常ですが、英語のスペックにおいては、まず、数字と単位の間はスペースを入れるということが、世界標準の英語表記の基本となります。例外、つまりスペースを入れない場合については、またあらためて書きたいと思います。

spaces and spacing

abbreviations and, 10.5, 10.12, 10.69
ampersands with, 10.10
in cleanup process, 2.77
(…中略…)
SI units and abbreviations, 10.61
slashes for line breaks in poetry, 6.109
slash in open compound, 6.104
technical abbreviations, 10.52
(…以下略…)


The Chicago Manual of Style, 16th Edition
(Chicago and London: The University of Chicago Press – 2010)

『シカゴマニュアル』(The Chicago Manual of Style)については、当サイトの「このサイトの参考資料」ページをご覧ください。


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3. スペースは必ず半角で入力する

キーボードでスペースを入力する時は、入力モードが英語または半角になっていることを確認してください。

半角で入力しているつもりでも、アプリケーションの切り替えにともなって自動的に入力モードが切り替わったのに気づかず、つい全角のスペースを入力していたりすることもあります。こういうときは、エディタやワープロソフトで、全角の空白を検索して、半角の空白(スペース)と置換するのが簡単です。

ノーブレークスペース: 

「nbsp」は「Non-breaking space」の略で、改行(line break)をしないスペースという意味です。デバイスのスクリーンサイズの違いによってテキストの改行位置は変わってきます。また、ブラウザのウインドウの幅を小さくした時にも、1行の文字数が変わります。このような時に、数字と単位記号の間で改行されるのを避けたい場合は、キーボードでスペースを入力する代わりに、文字実体参照のノーブレークスペース「 」を使います。

Non-breaking space

HTMLで記述する際にノーブレークスペースを入力する時は、「20 Hz」のように、単語と「 」と単位記号の間にスペースが入らないようにします。「 」がスペースになるので、キーボードスペースも入れてしまうと、スペースが2個以上に増えるため、英語表記としては適切ではありません。

お読みいただきありがとうございます。気が向いたらまた遊びに来てください。